一般的には化学肥料を使わずに育てた苺はまともな苺ができないと思われています。「小さいでしょう?」「奇形が多いでしょう?」など、よく聞かれます。当園では1月頃から大粒の艶やかな張りのある”あまおう”の収穫が始まります。初めて見る方は本当に驚かれます。
いせいちごの特徴
- 育苗期間~出荷期間まで全ステージで化学農薬・化学肥料を使用しない為、アレルギー性物質を含まず食味が良い。(あまおう特有の完熟時の皮付近のえぐみがない)
- 糖が高まってから収穫を行うため平均的に糖度が高い。
- 昔ながらのぼかし肥料を用いた土耕栽培(畝を立てる栽培方式)のため、根張りが良くなり味が濃い。
昔ながらの土耕栽培は収穫も手入れも腰を曲げるので体に負担がかかります。昆虫たちの拮抗バランスが崩れて害虫が大量発生することもあります。夜な夜な蛾の幼虫をピンセットで捕ることもあります。生育が遅いな、と思っても微生物に頼っている我が家には即効性のある化学液肥は持ち合わせていません。こんな要領の悪い農法ですが、虫やカエル・菌たちに囲まれ支えられこの苺づくりを続けています。
いちご畑は農薬も除草剤も薬剤不使用
~この畑でのみ存在しうる生態系づくり
隔離された山林の畑
2019年7月にそれまで10年使っていた田んぼのビニールハウスから木々に囲まれた山地へ苺の畑を引越しました。森林と川に囲まれた新しい畑は閉鎖的で、近隣の圃場で使用される農薬・除草剤が風にのって飛散することがなく守られた環境とも言えます。ずっとこの地を大事に使っていきたいと思っています。
ぼかし肥料
植物を分解して肥料にする菌を増やし、ぼかし肥料として使っています。育苗期から収穫期まで化学肥料による栄養供給は一切行いません。また森林に囲まれているため腐葉土による土着菌が自然と増える環境があります。ビニールハウスの中でキノコが生えていることも珍しくありません。菌の発酵による土づくりはとても時間がかかりますが、未知なる菌の世界を想像しながら作業をしています。
天敵昆虫
害虫は常に苺と一緒に住んでいます。ただ、農薬で全滅させてしてしまうのではなく、天敵昆虫によって捕食関係のバランスを保ち、害虫がそれ以上増えない状態を作ります。この土地に住んでいる土着天敵・土着菌たちの協力は欠かせません。
昆虫を捕食するカエルも沢山住んでいます。